Accessを使うにあたって、データテーブルは重要です。
特に集計を想定して利用するにあたり、集計元となるデータテーブルを持っていないと集計することができません。
そこでどのようなテーブル・項目があると便利か、について整理してみたいと思います。
前提
前提として、支社店で必要とする集計を想定します。
その集計に必要な項目を(最低限必要な項目)、(あると良い項目)、(マスタ上で必要な項目)、などの内容に分けて並べます。
マスタデータってなに?という方向け参考:マスタデータが便利な4つの理由
また、各帳票の呼び方として「〇〇別□□別××」という呼び方をしていますが、縦・横・数値の種類の順番で、ここでは表現しています。
指標が2つ以上ある場合は、「〇〇別□□・☆☆別××」と中黒で区切っています。
△△単位という言い方をする時は、元のテーブルに”絞り”が掛かっているものを指します。(ディメンションと言ったりします)

上記の画像であれば、「社員別商品・週別売上」という言い方になります。
必要と想定される帳票
月単位の社員別週別売上
管理指導用。
社員別の逐次の売上を示すことで、数値をきちんと追わせる目的で作られるものです。
類似として支店別や部別、課別といった粒度もあり得ますが、指導対象とするのが支店長・部長・課長という違いがある程度で目的は同じになります。
売上目標や前年の売上データなどがあるとより行動に焦点を合わせた集計表になります。
(最低限必要な項目)年月日、社員、売上
(あると良い項目)売上目標
(マスタ上で必要な項目)社員の所属支店・部署、年月日に紐づく週、売上目標を加えるならば社員マスタや支社店・部署などに紐づく形


年度単位の社員別半期別売上
業績評価用。
人事評価査定用やボーナス査定用で作られるものです。
派生形として、社員別月・商品別売上や社員別四半期別目標達成率など、商品別の指標が追加されたり、年月の粒度が違ったり、売上数値ではなく目標達成率のように指標が異なっているケースがあります。
その点は人事評価制度次第の面があるので、場合によっては全く不要のケースもあります。
(最低限必要な項目)年月、社員、売上、売上目標
(あると良い項目)商品
(マスタ上で必要な項目)年月に紐づく形で半期や四半期


部課単位の社員・顧客別売掛残表
管理指導用。
顧客別に請求し、入金予定日を超過して未入金である金額の集計表です。
顧客からの入金をさせるためのアクションを目的としています。
管理職・営業マンが利用することを想定しており、社員・顧客別にリスト形式になっていると便利です。
顧客に「いつ請求したものか」「何の商品の件か」を説明する必要があるため、年月や商品の項目が必要となります。
注意点は、複数商品が絡んで1つの請求となっている場合は一部入金があると逆に混乱をきたしやすいことです(入金消込と商品別は原則連動しないため)。
機械的に処理をしているならば、どのような優先順位で入金消込がされていくのかを確認しておきましょう。
(最低限必要な項目)社員、顧客、請求額、入金額、請求年月
(あると良い項目)未入金
※請求額-入金額で未入金は算出できるので必須ではないが、直接金額を示すとより良い


日単位の商品別在庫リスト
営業用。
納品日に関わるため、常にチェックできるようにする必要があります。
ここで言う在庫は、今後の納品に関わるものであることから、既に出庫予定となるものはリアルタイムで除外されている必要があります。
また、原価の項目を持っていると値引き交渉をされた時のOK/NGラインも見えてくるため、あった方が便利です(管理指導上は無い方がベターなので一長一短ですが)
(最低限必要な項目)商品、在庫数、倉庫の場所
(あると良い項目)定価 or 原価


社員単位顧客商品別月別売上(2年度分)
営業用。
各営業に配布する用です。
営業マンは自分の担当する顧客の一覧と何をいつ売っているのかがリスト化されていると助かります。
毎年この商品をこの時期に売っている、これくらいの金額で売っているということを確認します。
内勤がつい忘れがちなのは、営業担当は人員の入替等もあって担当は昨年と違うことが往々にしてあるということです。
直近1年ではなく、2年度分あると良いでしょう。
(最低限必要な項目)年月、社員、商品、顧客、売上金額
(あると良い項目)前担当者

